家をつくるからには、少しはその構造や建て方について知っておきたいものです。
一見、凄い構造・工法に聞こえても、調べてみたらその構造・工法は現代の家創りでは必要不可欠の構造だったり、逆にそこにこだわりを持っていないビルダーが施工している工法が、実は理想の家創りに一番近い工法だったりと、分からないことだらけの家創りに頭を悩ませている方は少なくないはずです。まずは一般的な住宅の「構造・工法」の種類、それぞれの特徴をご紹介させていただき、その中から自分たちが理想とする構造・工法はいったいどの家創りなのか、をご一緒に考えていきたく思います。
一般的な住宅の「構造・工法」を知る必要性とは
一生に一度の家づくりに踏み出す前に、さわりだけでも知っておくべきなのが、一般住宅で多く採用されている建築工法や構造かもしれません。各建築会社によって得意とする「工法・構造」が異なり、さまざまな種類があるのです。家創りにどの「工法・構造」を選択するかは実は大切な課題で、施工性やコスト面はもちろんのこと、将来の暮らしにも影響を与える大切な事柄です。
理想の間取りや外観、空間を実現できる構造なのかな…
将来的に増改築ができる構造なのかな…
今の家創りに大切な耐震性や省エネルギー性等の性能に対応できているかな…
などなど今思いつく家創りの疑問を自問自答しながら、ベストな家づくりのための「工法・構造」を決めておくと、依頼すべきビルダーがおのずと見えてきます。
大切なのは、土地の個性を活かせる工法・安心して住める構造・そして快適な住まいを実現できる構造・工法なのです。
では、どのような建築工法があるのでしょうか。
一戸建て住宅の工法には、主に以下の種類があります
〇木造軸組工法(在来工法)
日本で最も多い、柱や梁などの骨組みを集成材や無垢材などの木材で作る工法です。構造上の制約が少なく、設計や間取り、開口部の自由度が高く、将来の増改築もスムーズです。変形地や狭小地にも難なく対応でき、弊社est HOMEもこの木造軸組工法を主流で施工させていただいております。
〇2×4工法(枠組壁工法)
断面寸法が2×4インチの木材で組んだ枠に合板を張り、壁を形成していく工法です。6面体で支える箱型構造で主に欧米や北米で主流の建物です。「面」で支える構造であるため、外からの力を面全体に分散させることができ、構造体となる6面体構造は歪みも起きづらく強度が保たれます。規格化されたパーツを使うことで、安定した施工技術を確保できるのも大きな特徴です。工期が短いのも大きな特徴の一つです。
しかしながら、パネルを使った「面」で組み立てて、「箱」という6面体構造で強度を高めているため、ある程度間取りに制限が出てしまいます。斜めの壁を作りたいなどの個性的な設計には向いてなく、窓開口の大きさにも少しの制限があったりします。
〇プレハブ工法(プレファブリケーション)
工場であらかじめ工作された部材を現場で組み立てる工法です。素材ごとに鉄骨系、コンクリート系、木質系に分けられ、マニュアルで施工可能な工法です。工場生産するため品質が安定しており、施工性や施工スピード・職人の個人差も少なく工期短縮可能で、均一な品質を確保できるメリットがあります。
その分、設計の自由度が低く、現場での臨機応変な施工が困難なため、職人の技術力が活かしにくくなってしまいがちです。将来の増改築等のリフォームも難しかったりするケースも多いようです。家族の変化で間取りを変える計画があったり、デザイン住宅のように個性的で斬新なプランニングには少し難がある工法かもしれません。
〇鉄骨造(S造)
梁や柱などの骨組みに鉄骨を用いた工法になります。鋼材の厚さで「軽量」と「重量」に区別され、間取りや開口部の自由度が高く、大空間が作りやすい構造です。自由度が高いので増改築も容易です。もちろん鉄骨造なので木造のように材質によって強度が異なると言った心配がなく、均一に耐震性が高いというメリットがある工法です。木造と違い、大空間のスペースを作ることが可能で、デザインの自由度は比較的高い方です
その分、建築コストが木造と比較すると高額になるケースが多いようです。そして木造のように構造材で湿気を調整することが出来ないため、換気などは機械に頼ることが多くなります。この換気システム一つで住まいの住みやすさが大きく変わることがあるので、注意して選択していくようにしましょう。
もっと多くの工法、構造がある中で、まずはこの4つの工法をご紹介させていただきました。
それぞれにメリット、デメリットがありますが、理想の家創りをするためには、どの工法・構造を選べば良いのか大切な選択と言えるでしょう。
一生に一度の家創りだからこそ…
est HOMEの家創りは、「木造軸組工法」を採用させていただいております。お客さまとのお打合せから図面が引かれ、その図面が現場監督の指示のもと、腕利きの大工さんや職人さんが丁寧に創りあげていく唯一無二のものです。量産品である部材を組み立てる工法とは違い、人の手が創り出すゆえの自由度の高さが、家事動線の良さや見た目のバランス、安全性など踏まえた世界に一棟を創り上げます。希望により、家具や棚なども大工さんが造作で制作していきます。この自由度の高さと柔軟性、そして日本の風土にあった「木造軸組工法」をもとに独自のスーパーウォール工法を組み合わせ、住みやすく安心できる住まいをご提案させていただいております。タイミングが合えば、『構造現場見学会』なども開催しておりますので、どのような工法なのか、どんな商材を仕様しているのかをぜひご体感ください。
基礎部分や柱の組み方、壁や屋根に施す断熱構造などは壁や屋根の中に隠れてしまい、家が建ってからでは見ることができません。そんな見えない所だからこそ、大切に創っていかなくていけない想いです。その家創りに対する想いを、建築現場を通じてぜひ皆様に知っていただければ幸いでございます。